厚さ0.2mm。目に見える一番外側の部分。
皮膚の一番外側にある表皮は、官製はがきの厚さ(0.2mm)と同じくらいの平均約0.2mm程度。
このわずか0.2mmの表皮は、外側から角層(かくそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層(きていそう)の4つの層からできています。
表皮の細胞は、表皮の一番下にある基底層で生まれ、その後、時間とともに形を変えながら、次々に生まれる細胞に上へ上へと押し上げられていきます。
最終的には死んだ状態で角層細胞となりますが、この細胞は新しい細胞に内側から外側に押し上げられるようにして表面まで上がり、最後はアカとなって自然にはがれ落ちます。
これを新陳代謝(ターンオーバー)と呼び、健康な肌の場合、約28日サイクルと言われています。
表皮は体外の刺激(アレルゲンや化学物質など)から守るとともに、体内からの水分の蒸発を防ぐバリア機能を発揮します。
角層と角層の表面を覆っている皮脂膜が、その主なバリアとして働きます。そして近年、角層の下層の顆粒層にあるタイトジャンクションが第二のバリアとして注目されています。


角層は、角層細胞が積み重なり、その間を細胞間脂質が埋めるという「レンガ(角層細胞)とモルタル(細胞間脂質)」のような構造をしています。細胞間脂質は、セラミド・コレステロール・脂肪酸などが立体的な構造をとることによりバリア機能を形成し、アミノ酸をはじめとしたNMF(天然保湿因子)が水分を抱えることで角層の水分を保持しています。
もうひとつのバリア、タイトジャンクションは、隣り合う細胞と細胞の間をぴったりとシールしています。
角層を通り抜けた外部刺激(病原体やアレルゲン物質など)が、細胞と細胞の隙間を通り抜けて体内に侵入してくるのを防いだり、内部からの水分の喪失も防いでいます。
細胞がお風呂のタイルだとすると、タイルとタイルの隙間のシールする目地が、タイトジャンクションです。タイトジャンクションは、顆粒層の外側から数えて2番目の細胞の細胞と細胞の間をシールしています。
そのため、バリア機能が低下すると、アレルゲンなどが侵入しやすくなることで、かゆみや湿疹、アレルギー性皮膚炎などの原因になります。